第2回:『ライトモティーフ』って..... 何?
- tanochic
- 2022年6月17日
- 読了時間: 3分
第2回:『ライトモティーフ』って、何?

ダースベーダーと聞いて思い出す音楽、
スーパーマリオと言われて聞こえてくるあの音、
ドラクエをやっていた時に誰が出てくるのか一喜一憂した記憶が蘇る音楽!
登場人物別の「テーマ曲」なんて、今や当たり前ですよね。
こういった音楽の使い方はかなり古い時代からあったようですが、
「ライトモティーフ」なんて、まことしやかな名前が付いたのは 1871年のことだったようです。
でも本当に昔から使われていた手法で、
オペラなんかだと、バロックの頃のものにも使われていますし、
もちろん、モーツァルトも使っていました。
(いきなり余談ですが、
ハイドン先生は、息子ほど年の離れたモーツァルトを高く評価していて、
「オペラはモーツァルトに敵わない!」
という理由で書かなかったそうです)
そして、
音楽が具体的な「何か(例えば人物だけでなく風景とか天候とか)」
を表している曲で有名なものには、
ベートーヴェンの交響曲『田園』(1808年作曲)がありますよね。
(ベートーヴェンは、モーツァルトより14歳年下)
この『田園』に刺激されて、ベルリオーズが1830年に作曲した『幻想交響曲』では、
言葉は一切語られないのに、
聞き手の頭の中には 壮大な夢物語(主人公が幻影を見るという設定)が繰り広げられるのです!
まぁ、ある程度の予備知識を持って聞けば、 という条件付きではありますが。
このベルリオーズさん、まだ「ライトモティーフ」という呼び名もなかったし、
オペラと違って歌詞もない曲に人間がハッキリと登場するような例は
それまでなかったので、
1830年に幻想交響曲を書き上げた時に、 この手法のことを「イデー・フィクス」(idée fixe、固定楽想)」と呼んでいたのです。
フランス人なので、単にフランス語で「アイデアを固定して使ってみたんだけどね」と言っているだけとも言えるので、
命名したというほどの気持ちではなかったと思います。
なので、
国を越えてまで浸透せず、40年後にドイツ人の学者さんに「ライトモティーフ」とハッキリと命名されてしまいます。
しかも、
この手法を代表する作曲家、とうポジションも、10歳年下のワーグナーに奪われる・・・、
という、
ちょっとかわいそうな感じ。
あ~、今日はすっかり前置きが長くなってしまいました。
プロコフィエフの話をしたいのに (^^;)
まぁ、 そういった手法についての呼び名が生まれた経緯はどうでも良いのですが、
やっと本題であるプロコフィエフさんが、
1936年に、
子供向けの音楽を依頼された時、
「登場人物」ではなく「登場楽器」に、この「ライトモティーフ」を使おう、と考えたのです。
もともと「楽器を何か、おとぎ話のイメージに結びつけて、子供達が最後まで飽きずに聞ける交響曲を」
という依頼だったようで、
それぞれの楽器に改めて、登場する動物があてがわれ、
『ピーターと狼』という作品になってゆきます。
そして、 曲の冒頭の朗読で、
まず、しっかりと、説明を聞かされることになるのです。
「この物語の登場人物は、それぞれ楽器であらわされています。
小鳥はフルート
アヒルはオーボエ
猫はクラリネット
おじいさんはファゴット
狼は3本のホルンの和音、
ピーターは弦楽合奏
猟師の銃声はティンパニと大太鼓…」 聞いて見たいですか?(↓おすすめYouYube)
全曲では25分ほどかかりますが、
よろしければ、冒頭の部分だけでもみください。
今度の月曜にはまた、
この物語に登場する動物たちとプロコフィエフの関係について、 少しお話ししましょう(^^)
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