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『四番目の天使』


2017年4月8日(土)18時50分開演

鶴見区民文化センター サルビア音楽ホール:2500円

(当日券は3000円なので、ぜひご予約くださいね〜♪)

この公演を企画構成している高橋徹さんより、この演目に寄せての「原稿」をいただきました(^^)

【優しいあなたに】  街にクリスマスイルミネーションが溢れ、毎日のように次期大統領の顔がテレビに大写しになっていた昨年の暮れ、一人の音楽家がこの世を去りました。  その人の名は、佐藤弘和。ギタリストであり、編曲家であり、作曲家でもありました。  彼の音楽は、想像的でありながら、穏やかで、静かで、時に躍動的で、ギターを知り尽くした者だけが産み出せる独創的な音に溢れています。  そんな彼に、篠原正志がギターとチェロの為の新曲をお願いしたのは、もうずい分前のことでした。本当は、今すぐにでも手にしたい楽曲でしたが、篠原は、ずっと待ち続けていました。昨年、彼の体調が思わしくないことを聞いた篠原が、もう少し先になるかな、と思いかけたある日、佐藤から一部の楽譜が届きます。 「遅くなってごめんなさい……」  そんな言葉が添えられたその曲のタイトルは、 「優しい歌をあなたに」  それは、彼がいなくなる三週間前のことでした。  篠原正志とたのうち惠美は考えます。 「あなた」って、だれ?  篠原とたのうちのこと?  とんでもない、お客さまでしょう?  それとも、世界中の人たち?  いやいや、もしかしたら、生きとし生けるものすべて?  でも今回、二人が出した答えは、  あなたですよ、佐藤さん!  聞こえてますか?  優しい歌を、優しいあなたに…… 【篠原正志の憂鬱】  篠原正志は、ずっと悩んでいました。  それは、バッハから突きつけられていた宿題、シャコンヌ。  バイオリンのために書かれたこの曲を、作曲家が想定していなかったギターという楽器で演奏することの困難さと無謀さ、そのことに24歳の篠原は気づいていました。  作曲家の意図を、このまま忠実に再現するなら、それはギターではいけない。でも、もしバッハがギターの為にこの曲を書いたのなら、ギターの音色で、彼は何を表現しようとするのか。  旋律を抜き出して、そこに別の音を重ねてゆく作業の中で、どの音を選び、どの音を捨て去るのか。音は流れているか、リズムは刻まれているか、表現はどうだ、軽くはないか、重すぎることはないか、表面的になっていないか、内なるものが現れているか、なによりも想いは伝わっているのか。  プロとしての責任と苦悩の中で、答えを見つけられないまま、若き篠原が選択した方法は、この曲を封印することでした。  なぜ、ギターで演じるのか。  その意味はどこにあるのか。  長い時をかけて考え抜いた果てに、その答えのひとつを見つけ出した篠原は、もう一度バッハに問いかけます。 「ギターのためのソナタとパルティータより、シャコンヌ」  ねぇ、ヨハン、気に入ってくれたなら、シャレた言葉のひとつもかけてくれよ。 「Herr シノハラ!オモシロイネ!」 【季節はずれのクリスマス】    不思議なことって、もしかすると、あるのかな。  クリスマスの前の日の夜、神さまは天使たちをお呼びになり、四つの心を地上へ連れていくように言いつけました.  一番目の天使には、さみしい心を。  二番目の天使には、悲しい心を。  三番めの天使には、ひとりぼっちの心を。  そして、四番めの天使には、どんな心かを教えずに。  それぞれの天使は、それぞれの心を連れて天空を駆け、それぞれの場所へと向かいます。  そこで天使と心たちが出逢ったもの、そこで起こったこと、それはいったい何だったのでしょう。  「四番めの天使」それはギターとチェロの演奏にのせて、優しい語り口で始まる、季節はずれのクリスマスの物語.   音楽もお話もオリジナル。  朗読は、声優や舞台、MCなどで活躍中の高橋由希。  演奏は、篠原正志とたのうち惠美。  春にはちょっと似合わないかもしれません。  でも、天使と心たちが出逢ったお話しは、決して季節外れではありません。  耳をすまして!ホラ、声が聞こえる! 「あなたが、いちばんよいと思うことをしてあげるのですよ」

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公演のお申込み・問合せは、たのシックの『公演情報』ページの問合せボタンをご利用ください。


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