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第2回

音楽はやっぱり、歌でしょ!?

2回目となる今回は、ちょっとヨーロッパ旅行〜♪

私たちが、じゃないですよ。

皆さんとご一緒に(^^)

モーツァルトの本拠地オーストリアから離れて、

父レオポルトが頻繁に連れていった旅のワケを

少々探ってみたいと思います。

まず1曲目はモーツァルト初期の作品から

弦楽のための3つのDivertimento 第2番。

ツウの方は「お?!」と思われるかもしれませんね。

そう、有名な1番と3番の影にかくれつつありますが、

とても美しい曲です。

この曲を書いた頃はすでにモーツァルトはイタリアを知っていました。

そして2曲目が、

モーツァルト父子がイタリアを旅した頃にはすでに歌われていた曲で、いまでも世界中で折に触れ歌い継がれている作品から一つ。

当時歌われていたであろう雰囲気を少し再現していただきつつ、

イタリアはこれだけ。

でもなんで、レオポルトは息子を何度も

イタリアへ連れていったのでしょう。

そして、楽譜が冒頭からイタリア語づくしで書かれているのはなぜ?

Andante, Grave, Presto, Vivace, poco, più....

これらは音楽専門用語ではなくイタリア語です。

これは、同じ理由からなのです。

そう!

もともとは、音楽の中心地がイタリアだったから。

そして、

イタリアにイタリア歌曲があるように、

モーツァルトだって自分の国の言葉で歌が書きたいわけなんです。

そこで3曲目、『すみれ』

モーツァルトの円熟期に書かれた曲ながら、

ドイツ歌曲の源流となる「ドイツ語の歌」。

続く4曲目はその『すみれ』と似たメロディーが

弦楽四重奏曲の ある楽章に使われているので、

少し横道にそれますが、

作曲家の「使い回し説」も検証してみましょう。

そして前半最後は、

当時はまだまだ「正式な歌はイタリア語で」という時代だったので、

大曲揃いのコンサートアリアから1曲。

『大いなる魂と高貴な心』

素朴な『すみれ』と聞き比べてみてください。

用途に応じた見事な作り分けを感じていただけることと思います。

休憩中にはちょっとしたお菓子と飲み物で、

皆さんも喉を潤していただきたく。

(お飲物、有料でごめんなさい...)

ガラっと雰囲気の変わる後半にむけて一呼吸。

お菓子をつまんでいただきながら

ラヴェルがモーツァルトのどんな所に惹かれ

何を求め、何を知ったのか...

モーツァルトから100年後、

私たちから100年前の世界を覗きに

心をパリに飛ばしましょう。

今回は、イタリア〜オーストリア〜フランスと

駆け巡りますよ♪♪

Bon voyage !

​『ご搭乗』のお手続き、お待ちしております ♪

杉劇シリーズ第2回 10月16日(日)

  14時開演にて開催しました♪ 

会場:杉田劇場コスモス 

 Guest

辛島安妃子  ソプラノ

東京女子大学文理学部日本文学科、及び東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。第48期二期会オペラ研修所マスタークラス修了。ニース夏季国際音楽アカデミーマスタークラス修了。近年神奈川オペラフェスティバルに毎年出演。オペラのほか、宗教曲、ドイツ歌曲、日本歌曲、イタリア歌曲、ミュージカルと幅広く演奏。ロレーヌ・ヌバー、マルチェッラ・レアーレ、故朝倉蒼生、田中奈美子、高橋啓三の各氏に師事。横浜シティオペラ会員。二期会会員。関東学院大学、日本女子体育大学非常勤講師。

【プログラム】

《第1部》
1)W.A.Mozart:嬉遊曲 Divertimento K.137
2)G. Paisiello:「うつろの心」Nel cor piu non mi sento
3-a)W.A.Mozart:「すみれ」 Das Veilchen  K.476
3-b)W.A.Mozart:弦楽四重奏曲 K.575よりAndante
4)W.A.Mozart:「大いなる魂と高貴な心」Alma grande K.578


〜休憩〜

《第2部》

M.Ravel:弦楽四重奏曲 ヘ長調

​(終演予定:15:50)

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